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出版労連では、出版研究集会を開いています。
■2009年出版研究集会
出版研究集会は,出版労連が毎年,開いています。
■全体会
*日時:2009年6月18日(木) 18:30〜20:00
*会場:あうるすぽっと 3階会議室B
豊島区東池袋4-5-2ライズアリーナビル3階
*講演:「出版産業の再生を考える」/菊池明郎氏(筑摩書房社長)
■分科会
(1) グーグル集団和解の問題点〜著作権の、今何が問題なのか
*日時:6月25日(木)18:30〜20:30
*会場:文京シビックセンター 4階会議室A
*講師:樋口 清一氏(日本書籍出版協会事務局長)
(2) 知ってますか?隣の人の働き方U 下請法を使って権利を守る
*日時:6月26日(金)18:30〜20:30
*会場:出版労連本部会議室
*講師:鈴木隆彦氏(公正取引委員会)ほか
(3) 激動の出版流通
*日時:7月 1日(水)18:30〜20:30
*会場:出版労連本部会議室
*講師:高須 次郎氏(出版流通対策協議会会長)ほか
■6/18:全体会の報告
本日の全体会から出研集会がスタート。
まず津田・出版労連委員長が、
「大凸 (大日本印刷,凸版印刷) がらみで再編が進行している。出版ビッグバンだ。
しかし出版界は売上2兆円ではわからない影響力を持っている」と挨拶。
前田・出版労連副委員長は「出版の社会的責任を考えると、
出版産業を支えるにふさわしい労働条件・労働環境が必要であり、
出版文化と出版経営の両面で考えるべきだ。
学ぶこと、行動することが必要」と問題提起した。
筑摩書房の菊池社長は、
・売上ダウン、返品率40%強と今の出版のシステムは制度疲労を起こしている。
・版元、書店とも力のあるところが有利な条件を確保し、とりわけ街の書店は
不利な条件の中どんどんつぶれ、これ以上書店が減ると、とりわけ雑誌、
ひいては書籍の売上に影響し、 出版産業の危機である。
・その打開のために@再販制度の弾力的運用A責任販売制によって、
書店に高いマージン(ただし買い切りor歩安入帖)を保証する。
など報告され、筑摩の取り組み、消費税増税への対策、EUの現状などにふれつつ、
「人任せにせず汗をかこう」「分析し、頭で考え、行動しよう」と講演を締めくくった。
質疑では
・既刊本の売り伸ばしの工夫、消費税アップには出版物の減免を要求する。
・筑摩主導の責任販売制ではICタグを使わないが、ICタグに反対ではない。
・配本についてはあくまで販売力と実績を重視する。
・コストダウンについては発注先と十分に話し合っている。
文庫・新書が70%を越えたのは、マーケットによる選択の結果だ。
会社更生のための社屋売却は正しい経営判断だった。
などと述べられた。
全体で105人の参加で盛況だった。ユニオンの参加者多数で把握できず。
みなさんお疲れ様でした。二次会も盛り上がった。
(by 取次支部 I )
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■6/25:第1分科会の報告
6月25日、書協事務局長樋口清一氏を招いておこなった、出版研究集会第1分科会
「グーグル集団和解の問題点―著作権の今何が問題なのか?―」の報告をします。
樋口氏はグーグル集団和解の問題点について
1,経緯、2,和解内容、3,今回の和解の問題点 という形で報告された。
その内容は、グーグルの基本的な姿勢は、いやならこれをするなと言え、
言ってこないなら可であるとグーグルは考える、ということである。
これは無体な話である。無体な話ではあるが、参加を拒否してやれることは限られている。
新たに訴えることはできるが、現実的かどうか?
拒否してもグーグルがスキャンしない保証は全くない。今回の和解は、
アメリカ国内の使用・利用に限定されており、それ以外のことは何も決まっていない。
であるならば、裁判するより、和解に参加して除外・削除する方が現実的ではないか。
そして4,日本の出版界がなすべきこと、では、
書協のデータベースには137万点あり、うち82万点が流通し、40万点が品切未定、10万点が絶版である。品切未定を刊行中と主張したいが、難しいか?
だいぶはっきりしてきたが、不明な点が多い中、参加・拒否を決めなくてはならないなど、
問題が多いが、和解がつぶれると、フェアユースかどうか争うことになり、どうなるか分からない。
一応のタガをはめ、絶版本に命ということもある、という判断だ。
問題はグーグルかどうか以前にデジタル化の波がとどまることはありえないのであり、
これにどう対応するかだ。国会図書館は68年以前に納本されたものを180億円をかけて全てデジタル化するという。全ての図書館・国民に配信されることが可能になる。
配信センターを作り、出版社に一定額を払うと。デジタル化を出版社のコントロールの下におこなうようにするしかないと思うが、金が必要だ。このプロジェクトにどうかかわるかが問題だ。
と締めくくられた。
質疑の中で樋口氏は、
グーグルの言う「新たな収益モデル」について
グーグルは世界中の情報を収集することを使命としているが、今回は検索だけでなく、
コンテンツを売るということであり、飛躍がある。グーグルはあらゆる出版情報を一手にする。
版元を飛び越えて著者とグーグルが結べば電子書籍出版社となる。
問題は著作権問題・フェアユースだったが、流通問題になった。
デジタル化された書籍をどう流通させるかにグーグルは踏み込んだ。
国会図書館もデジタル化書籍のディストリビューターになろうとしている。
図書館・出版社・書店の定義すらグジャグジャになるという時代だ。
フェアユースの動きについて
今権利の制限の方向になっているが、正しくお金を払って利用促進することもできる。
これが本来の著作権だ。利用者が便利なことがよいことだという風潮があるが、
それで作り手が細くなるのは困る。
ホットな問題ということもあって、30人ぐらいの会場に65人がつめかけ、
立ち見も出てしまった。ユニオン参加者多数。席がなくて帰られたMさん、ごめんなさい。
(by 取次支部 I )
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■6/26:第2分科会の報告
出研集会第2分科会
「知ってますか?隣の人の働き方U 下請法を使って権利を守る」
が6月26日にもたれたので報告します。
最初に公正取引委員会の鈴木氏が下請法を解説。
親企業が支払いを遅らせることなどは「優越的地位の濫用」になるが、独禁法の適用では時間がかかる。迅速に処理するために下請法が作られた。
下請法では、買いたたき、受領拒否などは下請け業者の了解を得たとしても法律違反である。また発注書面の交付、60日以内支払いの義務がある。また下請け代金の減額、返品、報復措置なども禁止されているなど(詳しくは公取のホームページで)。
質疑では、情報成果物(出版関連はこれに該当)に下請法が適用されるケースと適用されないケースについての質問・疑問が多く出た。
二部では、
下請法を活用して大手版元とたたかい不当な代金を撤回させたネッツの取り組み、
放送現場の偽装請負の実体、
下請法を遵守している出版社の取組などが報告された。
会場からは多くのネッツ組合員から実情(文化的なことだから、金のことは二の次でしょ、みたいな発注先の雰囲気、正論をいって次から仕事が来ないのではという恐怖)や、労働組合に結集する意義などの発言があった。
最後に林香里東大准教授が「下請法は製造業からスタートしていて、
文化にかかわる出版などに使うにはこれを発展させていかなくてはいけない」
と報告された。
80名で本部会議室は満杯で活気あふれる集会だった。
(by 取次支部 I )
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■7/1:第3分科会の報告
出研集会第3分科会
7月1日の分科会「激動の出版流通」の報告をします。
流対協会長 高須次郎氏の講演
今出版産業は深刻な危機にある。販売金額は減り続け、一方送品、返品は
増え続けている。その中で委託販売制の限界、責任販売制を、の声が高まっているが、
それで今の危機を打開できるのか?その前にやるべきことがあるのではないか。
1,公取の要監視対象事業分野に取次が適用になっているほどに
取次の寡占化が進行している(上位3社で85%ほど)。
2,その結果として、大手書店に対する取引優遇の一方で、中小書店は、
低マージン、希望する新刊が入荷しない、取次の100%入金要求などの
低い取引条件で経営が悪化し、倒産廃業ラッシュの原因になっている。
新規や中小出版社に対しては、歩戻し、支払保留など、大手に比べて
厳しい条件がある。これは版元・書店に対する「取次の優越的地位の濫用」
に当たるのではないか。
3,当面何をすべきか、として
@好条件出版社の条件引き下げ、最低条件の設定。
A取引原則に基づいた請求方式、納品と返品の締切日を一致させる。
責任販売云々以前に、再販制度、委託販売制度の両輪を活用すべきだ。
さらに大店法と再販制度へのアメリカの見直し要求がなされた
90年の日米構造協議が今の出版状況に大きな影響を与えていること、
それとの関係で、アマゾンの値引き販売を許すことは、再販制度を内部から
崩壊させる可能性があり、撤回を要求していると結ばれた。
続いて流通問題研究家池田さんが、裏話も含めた「取次業界大再編」の報告、
出版情報関連ユニオン取次支部の I さんが「取次における労働の実態」として、非正規労働者の働かされ方と取次支部の取り組みを報告した。
質疑では、
・グーグル問題では
グーグルがやったことは無断スキャンであり、和解に加わるということはこの犯罪行為を不問にするということである。和解に加わるということは集団自殺に等しい。
・ポイントカードについて
1〜2%なら公取の言うお楽しみにあたるかもしれないが、アマゾンは8%で認められない。
・責任販売制について
書店がそれで儲かっているのかどうか、売れ残りは書店がかぶることになる。
返品について言えば、委託で放り込めば金が入るから作る(条件払い、内払いがあれば)、取立てが厳しいので返品する、といった構造の解決が先だ。
・ICタグについて
物流内で使うことに異存はないが、読者には自己情報コントロール権がある。
思想・信条・センシティブ情報がバッグの中に入れてもわかることは危険だ。
大日本印刷が企業戦略とする印刷方式はその点からも大問題だ。 などなど。
最後に津田・出版労連委員長から閉会の挨拶があって、出版研究集会の全ての
スケジュールが終了した。全体で60名の参加で活発な集会でした。
今年の出版研究集会は、全体会、分科会共に
昨年の倍以上の人が参加して盛況でした。
特にユニオンは人数が多くうれしかったです。
ありがとうございました。
(by 取次支部 I )
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■etc

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