創業1897年(明治30年)、製本一筋100年の技術と誇り
「製 本 の 実 際 を 知 る 」講義録
* 6月9日(土)
企画・編集の過程を経て入稿した原稿は、組版・製版・印刷と進み、製本工程を経て、はじめて本の形に出来上がり、読者に届けられます。
本づくりになくてはならない製本の現場は、出版に携わる者にとって見るチャンスの少ない工程です。
6月9日、出版技術講座の特別講座「製本の実際を見る」が行われ、板橋区にある関山製本所を16名の受講生が訪れました。1時間ほど、社長の関山雄一氏から、「製本の基礎知識」をお話いただいたあと、工場を見学、上製本のラインと並製本のラインを見せていただきました。以下、関山社長の講演の骨子をご紹介する。
* 上製本/並製本のできるまで(見学)
* 刷り本調べ → 一部抜き → 断裁 → 折り → 丁合い → 背固め(糸かがり) → 化粧裁ち
→表紙くるみ→カバー掛け
製本には、中身を化粧断ちしたあと、表紙をくるむ上製本と、中身と表紙を一緒に化粧断ちする並製本があります。上製本にもかがり綴じと網代(あじろ)綴じがあり、最近では、網代が多くなっています。背の形から、丸背、角背などに分かれ、さらには、タイトバック、フレキシブルバック、ホローバックなどに分類されます。
それでは、工場を見ていただく前に、製本の工程をお話しましょう。まず、最初に印刷所から搬入された刷本(すりほん)を確認することから、製本の仕事が始まります。
最初の工程が、「折り」の工程ですが、その前に刷本を突きそろえ1台(16ページ)ごとに断ち割ります。この工程は、刷本上の印刷位置(版面)がまったく同じ位置に来るようにする大事な工程です。 そして、規定の寸法に裁たれた刷本は、折り機に掛け3回折られて、ページ順が続くように仕上げられます。
次の工程が「丁合(ちょうあい)」です。 この工程の前に扉、口絵や折込などの別丁の貼り込みや見返し貼りなどの下ごしらえを行います。さて、下ごしらえが終わったら、全台数を揃えて丁合機に掛けます。丁合とは、折り丁を完全な一冊の本の形にページ順にそろえる作業です。 丁合が終わった刷本は、センサーなどで、乱丁、落丁などのないことが確認されます。
丁合いが完成した刷本は、「綴り(かがり)」工程に回ります。糸綴り機は、現在では、自動化されており、折丁の真ん中を開き、そこに針と糸を通し、一冊分の折丁を折り重ねてゆきます。通常、A5判では閉じ箇所は4箇所、四六判では3箇所程度になります。
綴じが終わったら、次の工程が「下固め」です。 丁合を終えた折丁の背は、折り目と綴じ糸で、小口より厚くなっています。そこで、ならし機に背を挟み小口と同じ厚さにそろえます。また、中身全体も平締めを行い平らにします。 次に三方の小口が正確に断裁されるように仮固めが行われます。背に膠(にかわ)や接着剤を塗布して固めるわけです。 小口を落とし、連続して天地を一度に落とし三方断ちします。そして、リボン(しおり)を入れます。
次の工程が、「丸身出し」工程で、二方から本を挟み、下から、押し上げるような形で、丸背特有の丸みを出します。そして、バッキング機で耳出しを行い、「背貼り」工程へ流れていきます。バッキングの終わった本の背に、再び接着剤をつけ、ガーゼのような寒冷紗(かんれいしゃ)を貼り、地券紙(ちけんし)の上下に花布(はなぎれ)をつけ、背貼りを完成させます。
そして、別工程で、完成させておいた表紙をくるみ、溝(みぞ)をつけ、ジャケット(カバー)や帯を巻いて、製本が完成します。当社の場合は、表紙貼りは外注化していますが、今日は、特別に手作業での「表紙貼り」や「糸綴り」をご覧いただきます。
並製本も基本的には、同じ工程ですが、背固めをホットメルトと呼ばれる接着剤で行い、表紙をくるみ、三方化粧断ちするだけで、基本的な製本を終えます。
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出版技術講座のために「時間延長」で、製本の実際をお見せいただいた関山製本所の皆さん、関山社長、ご案内役の並製本ラインの大澤輝夫さん、上製本ラインの近藤智栄さん、手作業での見事な製本技術をお見せいただいた小柴尚平さん。ありがとうございました。
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