時代をどう捕らえるのか「編集の原点を問う」
下村氏&守屋氏のジョイントセミナー
「時代に働きかける編集者」講座講義録
* 11月28日
11月28日、「出版技術講座」の20周年特別企画として、出版技術講座フォローアップセミナー「時代に働きかける編集者」講座が開かれた。
第一講座は、出版技術講座学校長の下村昭夫氏による「出版史に見る本と編集者の世界」。下村氏は、前半を明治以来の近代出版の黎明期から敗戦までの出版史を、後半は、戦後50年間の出版史を手作りの年表を元に語ってくれた。
第二講座は、JCJ出版部会の守屋龍一氏による出版現場からのリポート。守屋氏は、「時代に働きかける編集者」と題し、講談社における35年に及ぶ編集経験を三つの時代に分けて、その夢と現実を語ってくれた。
まず、初めがおたおた修業時代の「週刊現代」の仕事。自ら、希望して配属された「週刊現代」の編集生活は、1965年から69年の4年間。週刊誌と新聞報道のあり方の基本的なちがいから、企画の立て方の基本を述べた。折りしも時代はベトナム戦争のさなか、「事実の裏側」に見える人々の生き方にこそ、週刊誌の報道の原点があると語った。
続いて、15年間努めた「現代新書」編集部の仕事。アカデミズムと啓蒙のギャップ、教養として読者に訴える難しさなどを語り、「現代新書」の誕生のエピソードから時代に働きかける編集者の姿勢を語った。
三つ目が、16年に入る「文庫出版部」の仕事。単に名著を文庫にするだけでなく、いかに選び、文庫化するのか、文庫編集のエピソードを語った。今、改めて、文庫の時代といわれているが、それは、時代を切り開く単行本の蘇生無くしては成り立たないと強調した。
最後に、隠された事実を掘り下げる編集者の目とミステリーの面白さに触れ、見る立場を変えると違った事実が見えてくると時代を見据える心意気を語ってくれた。
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どんな時代にでも、同時代を生きる人々とともに時代を切り開く編集者たちがおり、「言論の自由と出版の夢を追いかけていたから現代がある。」という二人の講座に若い受講者たちの共感があった。
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