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  (株)BSSは,派遣会社? 請負会社?…継続雇用のために文英堂が設立する子会社への疑問

「継続雇用」について,会社が提案してきた内容について,基礎的なことから調べてみました。

■■■■■■■■■ 新しい雇用形態と請負について ■■■■■■■■■■

@直接雇用…正社員は当然。アルバイト,パートも,直接雇用。使用者と労働者だけの,雇用契約。使用者が支払う賃金と,労働者の受け取る賃金は,等しい。

@間接雇用…派遣社員,請負社員。「間接」というのは,間に入る人がいるという意味。その人が,経費と自分の利潤を確保するので,使用者が支払う賃金よりも,労働者の受け取る賃金の方が少なくなる。

@雇用契約…直接雇用と派遣社員の場合で,使用者と労働者の間に締結される労働法上の契約。
・業務請負契約…請負社員の場合。商法上の契約。労働法上の雇用契約ではない。

【派遣社員とは】…派遣法に基づいて,労働者を派遣する会社に籍を置き,派遣先の指示で仕事をする人。

(文英堂が派遣先になった場合の例)
 派遣会社(派遣元)…労働者は,派遣会社と雇用契約を結ぶ。
  ↓
 派遣(派遣社員)…派遣会社は,文英堂と派遣契約を結ぶ。
  ↓
 文英堂(派遣先)

@派遣社員は,文英堂の上司の指揮下に入って仕事をする。
@法律上は,派遣は正社員と同等の待遇が認められていて,正社員への道が開かれている。
@一年を超えての派遣契約は認められない。2006年3月1日からは,一定の条件で,三年まで派遣可能。
@派遣先は,社会保険とか労災だとかセクハラとか労働基準法とか,責任を負う。
@特定派遣…自社の正社員として雇用した人材を派遣。自前で雇用している人のみ派遣できる。
@一般派遣…登録スタッフ,臨時,日雇いの派遣。
@賃金の例…一般派遣の場合,一般事務で時給1,500円ぐらいか。1日8時間で20日出勤で,24万円が月収。
 月20時間残業をした場合,その分3万円円プラスになり,27万円円が月収。一時金はないので,27万円×12か月で,324万円が年収。

[労働者の立場から見た場合]
@派遣(個人契約)
 ○ 間に入る人が取得する経費と自分の利潤(俗に言うピンハネ)は,比較的少ない。
 ○ 業務,勤務地などの条件を選んで契約できる。
 × いつ雇い止めになるか,分からない。

【派遣社員から請負社員へ】

@度重なる派遣法改正により,派遣法適用で雇用契約を結ぶことが,高コストになり,低コストですむ業務請負契約で人を使いたがる事業主が増えている。
@とにかく,労賃を安くあげたい。直接,雇用契約を結びたくない。人材は必要なときだけいればいい。こうした要望に応えるのが,業務請負業界。派遣とも請負とも記載せず,アウトソーシングなどと言って募集していることがある。
@その結果,請負社員は派遣法で保障されている権利を失い,手配師に囲い込まれた日雇い労働者と同じになっている。使用者は,派遣法の縛りから逃れられる。労災等々の雇用責任から逃れられる。
@賃金とその他の労働条件……(高)正社員>パート>派遣社員>請負社員(低)。

【請負社員とは】…業務委託先の会社と契約するか籍を置き,その会社の指示で,委託元で仕事をする人。
            …それで,この人も委託元の職場では派遣社員と呼ばれる。が。本当は請負社員。

(文英堂が業務委託元になった場合の例)
 請負会社(業務委託先)=(業務請負元) …請負会社と「個人事業主」との間には業務請負契約が結ばれる。
  ↓                        しかし,本当は労働者で,雇用契約の回避目的の場合が見られる。
 派遣(請負社員)(業務請負社員) …業務委託元と委託先は業務請負契約を結ぶ。
  ↓
 文英堂(業務委託元)=(業務請負先)

@文英堂の正社員が直接仕事の指図をするのは,違法。
  文英堂には監督など行う権限は法律的に無い。
@請負社員は,文英堂の指揮下に入らない。文英堂の社員から仕事の指図を受ける義務はない。
@一緒に現場に入った請負会社の「主任(親方)」などの指揮のもとで仕事をする,というのが建前。
  しかし,この「主任」が,全く名目的で,ただ,「形だけ居る」という例があって問題になる。
@業務請負社員が文英堂の監督下に置かれて,文英堂の課長から業務指示を受けると,偽装請負で違法。

@請負契約は,もともと業務契約であり,労働者にとっての雇用契約ではない。
@本来,企業と請負契約を結べる人というのは,ごく少数の高級技術者など。
  契約条件や経費負担割合など,独立事業主として契約相手の担当と対等な折衝が出来る,というのが,本来の姿。

@業務を委託された会社(業務請負会社)は,多くの場合,労働者を個人事業主として短期で(三ヶ月以内とか)契約して,委託元へ派遣している。個人事業主といっても,これは請負元の会社が使用責任から逃れる(雇用契約を結ばない)ための偽装に過ぎない。労働者が,個人事業主に仕立て上げられるような感じ。請負元の社員ですらないのが,ほとんどと言われる。ちょうど日雇い労務者と同じ身分。

@短期契約の単純労働がほとんどのため,職業上の技能,スキルは身に付かず,住宅ローンや国民金融公庫などからの融資などもうけられないという。

[労働者の立場から見た場合]
@業務請負
 × 請負元に4〜6割取られてしまうこと(俗に言うピンハネ)が多いという。
 × 業務,勤務地などの条件は選べないことが多い。
 ○ 請負元に教育責任があるので,実際はきびしいにしろ,研修などを受けられる。
@偽装請負
 × 請負元に4〜6割取られてしまうこと(俗に言うピンハネ)が多いという。
 × 業務,勤務地などの条件は選べないことが多い。
 × いつ雇い止めになるか,分からない。

【(株)BSSは,派遣会社? 請負会社? その両方?】

@継続雇用についての,会社の説明では,受け皿として新設される(株)BSSには,特定派遣があるとか,文英堂の業務を請け負うとか書いてあります。「シニア社員」は,間接雇用の請負社員なのでしょうか。

@会社提案の継続雇用の賃金は,月給12万円。一時金を入れても毎月14万円で時給1,000円前後,年収160万円台(…平社員の場合)。派遣社員の例の1,500円より低い。時給800円のアルバイトよりは高いが,低賃金化は,際限がない様相になっている。これでいいのか?

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