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市販学参業界の現状(2002年6月)

 市販学参業界では,不況にともなう売上減が長く続いてきたが,2002年春は,小・中学校の学習指導要領改訂にともなう需要の拡大が見られ,日販の調べによる書店売上高は,4月期は前年比3.8%増となった。書店全体では,99.3%とマイナス0.7%であったことと対比すると,この春の学参の好調さが分かる。
 しかし,指導要領が変わったときは,これまでから新学期には前年比で売上増が見られたことで,珍しいことではない。今回の指導要領改訂は,これまでになく小学と中学とが同時改訂であり,出版物をどれだけそろえられるか,各出版社の生き残りをかけた競争であったが,その意気込みどおりにはいかなかった新学期ではないだろうか。
 やはり,大きな流れには,変化はない。生徒や児童の著しい減少,塾や予備校に通う割合の増大とそこでの専用教材の普及,書店での学参購入層の減少とそれにともなう書店での売り場面積の減少,推薦入学増などによる入試の多様化などは,ますます,書店での市販学参の市場を小さくしている。
 各版元は,打開策として,これまで手がけていなかった出版部門への進出を模索したり,新しい企画力をつけ,ニューメディア部門への進出などを図っている。しかし,そういう芽が簡単に開くような経済的な環境は,存在していない。
 それどころか,過密な改訂スケジュールに起因する内容上のミスに対して読者(=消費者)からのきびしい指摘の増加,国語をはじめとする著作権問題,インターネット時代のメディアへの対応など,新たな課題の解決も求められれている。しかるに,市販学参の版元では,経営者の世襲制がつづいたり,労使関係の荒廃しているところが多い。残念としか言いようがない。
成長が期待できない分野には,新しい有能な人材は集まらない。若い人は,将来性のある産業や職業に,自分の将来を託してい生きていく。市販学参の版元が,出版社として文化を育てる立場で生き残っていける道は,あまり広くはないと言うのが,現状と言えよう。


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