■春闘学習会「今、私たちをとりまく状況は?
『育児・介護改正法』の内容その他」で活発な議論 NEW!!
■第38回出版女性集会の記録
◆分科会1
◆分科会2
◆全体会
■2000年度セクシャルハラスメント意識・実態アンケート調査集計結果報告
■春闘学習会「今、私たちをとりまく状況は?
『育児・介護改正法』の内容その他」で活発な議論
2月22日、出版労連女性会議、社会保障対策部、MIC女性連絡会の共催で、「春の勉強会」が、約50名の参加で開かれました。
伊東弘子中執の「『権利は眠れる者を保護しない』、権利を職場に根づかせていこう。心のパワーアップをはかり、春闘に立ち向かおう」という挨拶で始まり、続いて今野久子弁護士(東京法律事務所)から、現在の雇用状況、そして「育児・介護改正法」をどう要求に生かすかという、まさに春闘前にぴったりの講演がありました。
以下は、その講演趣旨。
組合のあるなしに関わらず、解雇の相談が殺到している。その特徴は、生活費を中心的に負担している中高年に多く、若い人には働く職場がなくなっている。そして、企業再編(譲渡、分割、合併など)に乗じて労働条件が切り下げられている。また、パート、派遣、臨時雇用が増え、女性の2人に1人は非正規雇用者となっている。そして、パートの中に査定が持ち込まれたり、正規雇用者の仕事を肩代わりさせ、正規社員はパートと比較され、査定されるような実態がある。
そのうえ、労働者間の貧富の格差が拡がり、職場での競争が激しくなってきているところでは、いじめがあり、仕事の協力もしあうことがなくなり、職場の荒廃がすすんでいる。
そのような状況の中で、いま、出産・育児をしている人への攻撃が出てきている。「総合職の仕事ができないのなら、育児休業後にやめたらどうか」などと、退職を迫るようなことが起きている。育児や介護に関する法律が拡充されてきているにもかかわらず、職場では制度が使えなくなってきている。21世紀は、まさに、仕事と家庭の両立ができる働き方、生活を目指していかなければならない。
今回の「育児・介護改正法」では、不利益扱いの禁止規定が盛り込まれた。退職勧奨や退職強要、身分変更強要、降格、減給、嫌がらせなど、不利益扱いをしないという一文を就業規則に入れることが大事だ。また、新設された看護休暇については、子どもの看護のために自分の有給休暇を年平均五日使っているという調査もあるが、自分たちの実態から、何日要求するかという取り組みが必要。法律で努力義務となっている項目については、黙っていては変わらないので、要求化して就業規則を変更させていかなくてはならない。
講演後、「今野先生に聞きたい、こんな悩みや問題」と題した第二部を予定していましたが、すでに直後から具体的な質問が相次ぎ、そのまま相談会へと移りました。
出版労連ではある程度の条件を確立させてきましたが、権利を十分行使できなくなってきている状況は、全体の雇用状況と重なるところがあります。今春闘では、職場の状況をチェックし、法律に則して労働条件を見直していくようにしましょう。
10月25日、2002年度女性会議単組代表者会議が労連本部で開かれ、今年度の活動の課題、役員体制が確認された。さらに、「テロと報復戦争を許さず、平和憲法を守る決議」も採択された。
会議は、浅木議長が活動の課題提起を行い、また、事前に寄せられた24単組からの「職場状況アンケート」をもとに、代表者からは、この1、2年の職場、とくに女性たちの状況が報告された。
不況が長引くなかで、どこも経営状況が厳しく、経営改革の名の下に「賃金・一時金ダウン」「本給減額」・「新賃金制度の提案」「フレックスタイム制提案」「経営が存続するかどうか、要求も出せない」など組合の存亡にかかわる発言が相次いだ。そして、「退職者が出ても人員不補充のままで残業に明け暮れ、初めて休職者が出た」という職場や教科書会社の職場からは、「三六協定が吹っ飛んだ形で残業をしている。身も心も疲れ果てているように思う」「男女ともに長時間労働や休日出勤が続き、一段落したときにメンタル面で問題が出てこないか心配」「忙しかったけれど誰も死ななくてよかったと話し合っている」など、凄まじい労働が女性をも巻き込んでいる実態が報告された。
人員についても、「若い人が入ってくるが、残業が多くどんどんやめていく」「新卒採用なしで、20代は数えるほどしかいない」「派遣・契約社員、パートが増えている」「社員養成や若手養成をしてこなかったツケが出ている」という状況も出された。
とはいえ、「女性の役職者が増えてきた」「社内結婚の女性に住宅手当がついた」など均等法の成果がでいる一方で、「女性は55歳定年で、以降はパートになった」という違法が告発された。
フリーランスの集まりである出版ネッツの組合員からは、「初めて女性の集まりをしたが、契約、稿料、家族の問題、セクハラなどさまざまな問題が出され、今後も女性の集まりをもちたい」との発言があった。
どこの職場にも共通することは、女性の抱える問題を解決するにも、組合役員の引き受け手がいないことだった。今後の女性会議の活動に期待が寄せられた。
最後に、女性会議担当書記として長年携わってこられた相川和子さんより、退職(11月14日)にあたり、女性会議の果たした役割と成果の重要性と今後について挨拶を受けた。参加者は、21単組1友誼32名だった。
◆出版女性集会・分科会1
ぐずついたお天気が続く9月13日、出版女性集会分科会「仕事・ストレス・メンタルヘルス」が労連本部会議室で開催された。
講師は代々木病院精神科医師の菱山医師。参加は13単組25名で、おそらく働く者にとって重要な問題であろうストレスやメンタルヘルスについてのお話が身近に聞くことができた。
まずストレスというのは外界の刺激に対する、非特異な生体反応であるということ。ストレスの原因としては、価値観の多様化、生理的なリズム、自分の社会的な存在、不安、葛藤、そしてOA化による人間関係の希薄化も関係すると話された。それを乗り越えるには、ストレスは一人ひとり違うということを認識し、ストレスのアキレス腱=自分がどういうストレスに弱いのかを知ることが大事であると指摘した。そして、不幸にもストレスによる病気にかかってしまった人については、職場の環境を整え、復帰しやすくすることがとても大切だと菱山先生は訴えた。
また、どうしてもイヤだと感じたら、負けを認め、イヤなことをやめる勇気を持つことを繰り返し話されていた。イヤなことをやめる、というのはとても難しいと思う反面、それができたらストレスはたまらず快適な生活をおくることができるだろうと私も強く感じた。
先生のお話は時にはユーモアも交え、大変聞きやすく興味深かった。また、職場の状況として、複数の単組から報告があり明日はもしかしたら自分自身が、とも思うと全く他人事ではないと痛切に感じた。運悪く病気になってしまった人への理解と職場環境の整備はこれからも働く私たちの重要な課題となるのではないだろうか?
身近な話だけに、重く自分自身にのしかかってくるテーマだったために、ちょっとだけ憂欝になりそうになったが、少しはストレスというものを理解? できたかなと思った夜だった。
◆出版女性集会・分科会2
出版女性集会分科会2の「学校は今、教育の行方」が9月20日、労連会議室で開催された。講師は、カク田一忠・東京都教職員組合副委員長と吉田典裕・労連教科書対策部副部長。
カク田先生からは、学校現場の状況をお聞きした。小学生が嫌いな教科は、国語で原因は漢字だという。小学1年で覚える漢字は80字。20年前は46字だった。このように、勉強がおもしろくないのは、詰め込みと系統性のない学習指導要領の押しつけにあると、先生は指摘する。新学力観では、個性重視の名目で学習の遅れがちな子への指導を放棄し、3割の子どもがわかればよいとする。
また、改悪された教育関連三法では、問題行動を起こす子は来なくてもよいと切り捨てる。差別と選別・強制と排除の教育の中で子どもたちは苦しみ、教職員は苦闘し、父母は混乱している。そして、新たな「主任制」の導入で教師の格付けを強化し、物言えぬ教師づくりをすすめている。今私たちがしなければならないことは、教育基本法をいかした教育を保障し、子どもたちの未来を守ることである。これが、大人の責任であると強調された。
吉田氏さんからは、「つくる会」教科書の採択結果が報告された。全国542地区中、採択地区はゼロ。私立と養護学校を合わせて10数校、計521冊のみの採択だった(シェア0.039%)。これは国民の良識の勝利であり、日本の民主主義の健在を国際的にもアピールできた。しかし、教師の意見が反映されず、教育委員が採択決定する制度の問題や、右翼勢力による高校日本史教科書などの改訂版が一二月にも、文部科学省に検定提出される動きもある。「つくる会」教科書反対運動の中で構築した連帯をさらに広げ、教育基本法改悪反対のとりくもうと訴えられた。
参加者は22名だったが会終了後の懇親会には、19名が参加するなど盛況であった。
◆出版女性集会・全体会
9月29日、第38回出版女性集会の全体会が労連本部会議室で開かれた。
土曜日の夕方、という設定だったが、講師の辛淑玉氏の魅力もあって、22単組61名が参加。男性も10名が参加した。
●「男の論理・男の文化」
岩波書記長と浅木女性会議議長の挨拶後、さっそうと辛さんが登場。石原東京都知事との論争以来、ノーメイクだという長身の辛さんは、講演の1時間30分の間、立ちっぱなしで話しつづけ、次から次へと出てくる彼女の辛口の話に、聴衆は吸い込まれていった。
辛さんは、日本の『おんな』は最近すごく変わった、と話を始めた。講演会の体験でも、女性からの質問は『自発的』だが、男性はこちらから指名しないと質問はしないし、出てきたものは『国家を背負った』質問ばかりだという。
一方、男女を問わず思想・信条を表に出さないのが日本人で、そのようにしないと、また社会が受け入れない。みんなが『金太郎あめ』でないと安心しない社会になっている、と日本の社会構造を批判。
そのように、男社会=国家主義が、政治に、社会に、企業に、家庭に貫徹しているが、「ファシズムの時代と今は、何が違うかというと、『おんな』が違う。今は、男社会が最後のあがきをしている。人類の半分は『おんな』である。その『おんな』が変ってきた。そして、『女性』が決定権を持つポジションに付くと社会が変わる」と、男社会の変革を強く訴え、話は続く。
●「日本人の差別意識」
辛さんは、アメリカでの『同時多発テロ事件』にも触れ、あのテレビ映像を見てすぐ、「犯人が北朝鮮の人間だったらどうしよう」と考えたという。7歳からずっと体験している「在日」に対する圧力への恐怖感からの連想であった。
「日本は、韓国と中国が騒ぐと、外圧だ、内政干渉だというが、アメリカが騒いでもは何もいわない。本当におかしい」と国を選別する社会を批判。
「今東京では、1日に誕生する赤ちゃんが14人、そのうちの1人は外国籍住民です。また学校に通っている3?4%の子どもたちは、日本語が母語ではない。日本は市民レベルでは、すでにこのような『国際化』の中にあって到底『単色』ですまない時代になっているのに、国レベルでは国際化が非常に遅れている」とも批判。
●「私の敵は権力」
辛さんは、「私の敵は権力」といい切る。「石原とのたたかいの第2ラウンドは、2年後の都知事選で彼を『知事の座から引きずり降ろすこと』です。選挙権のない私だが、それに向けて活動の輪をじわじわと大きくしていく」と、具体的な楽しそうな企画の提案もあった。
●「デフレ時代の組合」
最後に会場からの質問にも答え、これからはパート・アルバイトの人たちも含んだ『人権闘争』ができる組合しか生き残れないと語った。デフレ時代に『賃金闘争』だけをやっている組織はつぶれると辛口批評。
ざっくばらんで、爽やかな熱風を残して、再びさっそうと退場していった辛さんに万雷の拍手。聴衆にとっては大いに溜飲を下げ、たくさんのエネルギーをもらった集会だった。